CRM の本質

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2021年10月24日20:10:09 评论

CRM の本質

昨今、マスマーケティングから個対応のマーケティングへの脱却が言われて いる。ダイレクト・マーケティング、リレーションシップ・マーケティング、ワン・トゥー・ワン・マーケティング、インタラクションを介したマーケティングは名前を変え進化している。しかし細かい違いを抜きにして、これらの考え方がCRMにつながったことは間違いない。
そこで、CRMの根底に流れる考え方の中で最も基本になる部分を最初に理解していく。そもそもCRMとは?CRMとはCustomer Relationship Managementの略で顧客について正確に知り、顧客の価値観を充足させつづけることで、顧客に必要とされる関係を構築、維持し続ける経営手法のことを指す。 しかし、CRMとはシステム構築とイコールで考えられがちであり、CRMパッケージを導入することがCRMの目的になってしまっているところも多い。
本来、CRMの課題は企業によって全く異なるものであり、パッケージ化は非常に難しいはずである。つまり、システム構築はCRMのための手段でしかなく、しかも、入口でし かないのだ。
CRMとは、何かということについては、目的、戦略、戦術の3つの観点からまとめると理解しやすい。
CRMの目的は「顧客価値の最大化」である。
顧客価値とは、一人の顧客からあがる売上や利益のことを指す。つまり、多くの顧客に買ってもらうという観点に立った「市場の中でのシェアを重視する」考え方ではなく、一人の顧客から「何度も」「たくさん」買ってもらう、つまり、「その顧客の中でのシェアを重視する」という観点に立った考え方である。
顧客価値最大化とは、その顧客シェアを最も高い状態に保つということである。
その目的を叶えるためには、顧客にブランドや企業を好きでいてもらい続けなければならない。そこでCRMの戦略では「顧客ロイヤリティーの形成・維持」を目指すのである。
顧客ロイヤリティーとは、そのブランドに対する強い思い入れであり、顧客が強いロイヤリティーを持つと、そのブランドを繰り返して購入してくれたり、良い評判を周囲に広めるという企業にとって好ましい行動をとってくれる。
この顧客ロイヤリティーを生むのが顧客とのリレーションシップである。つまり戦術としては、この「リレーションシップを形成あるいは維持するコミュニケーション」が重要になってくる。
このコミュニケーションを飛躍的に便利に、且つ高度化させ、コストを削減させるのがITであり、IT導入に際し、そのパフォーマンスを最大化させるための組織改革である。
つまり、多くの人がCRMそのものだと思っているITや組織改革は、CRMの中の戦術の要素でしかないのである。
しかし、このITや組織改革が重要でないかといえばそうでなく、ITとそれに伴う組織改革はCRMの大前提となる。
つまり、ITはCRMにおいて重要な役割を果たすが、CRMの本質ではないということである。
今週のキムタクのドラマ「グッドラック」で、ベテランパイロットが「ハイテク機」を苦手視するシーンがあったが、マーケティング畑でも、ITが本業の分析畑の人はともかく、管理職、あるいはクリエイティブ、プランニングに寄った人はITを敬遠しがちな人もいる。
しかし、CRMはITとしてではなく、以下のように理解したら非常に人間味があるものだとわかるだろう。
例えば、あなたに好きな人がいた場合、あなたはその人と付き合いたいと思う。それが、「顧客価値の最大化」だ。あなたは、その人と一回だけデートしてもらうのでなく、より深く、より長く付き合いたいと思うだろう。
そして、そのためには、その人にあなたが好かれる必要がある。これが、「ロイヤリティーの形成・維持」だ。
また、好かれるためには、あなたがキムタクばりのルックスでもない限り、まずは、よい関係作りから始めなければならない。あなたの存在を認知してもらい、彼女にとって価値ある存在になることが必要である。これが、「リレーションの形成・維持」だ。
実はこれがCRMである。
つまり、恋愛の成否を左右するものと、CRMの成否を左右するものは同じ。コミュニケーションが重要ということである。 前項で、CRMの本質はITではなくコミュニケーションだという旨を述べた。しかし、ITは不要ということではなくコミュニケーションにおいて重要な役割を果たすのが進化したITなのである。
CRMにおけるITの役割を考えると、伝統的なマーケティングの構成要素、例えばクリエイティブ、メディアと同じような役割を担っているといえるだろう。つまり、CRMのコミュニケーションはこのITがなければ成り立たないとさえ言えるのだ。
例えば、CRMの代表的なITである「CTI」とは、顧客がコールセンターに電話した際、ナンバーディスプレーにより通話してきた顧客を特定し、データベースに蓄積された顧客情報をオペレーター端末に表示させるものである。前回の最後にCRMを恋愛に例えて見せたが、このCTIの活用によりできるようになることは、あなたが恋愛で携帯の着信者表示機能を活用して行っていることと基本的には同じである。
携帯の着信者表示機能が無い頃は、女の子から電話がかかってきて「私、分かる!」と言われて、しどろもどろになったり、「○○ですけど」と苗字を言われて、下の名前が出てこず、その後、バンカラな会話よろしく、ずっと苗字で名前を呼びながら会話をしたりした「苦い記憶(?)」があるのではないだろうか?でも、今は、電話に出た途端に「○○ちゃん、電話、待ってたんだよ」などと調子のいいことを言っているのかもしれない。コールセンターでやっていることも同じで、この顧客情報により、オペレーターはさも顧客のことを良く知っているかのようにふるまえるということなのである。
CRMの代表的なITの例として「CTI」を挙げ、顧客がコールセンターに電話した際、ナンバーディスプレーにより通話してきた顧客を特定し、データベースに蓄積された顧客情報をオペレーター端末に表示できるので、オペレーターはさも顧客のことを良く知っているかのようにふるまえるのであるということを述べた。
これまでも、DM(ダイレクトメール)やアウトバウンドコール(電話による勧誘)により、顧客一人一人へのプロモーションは行われていたが、これらは極めて高価なプロモーション手法であった。
例えば、日本は諸外国に比べ、郵送料や封入費等の人件費が高く、アウトバウンドコールに関しても、同様に、高い人件費が足かせになっており、一人の顧客あたり十分な収益が上がる商品やサービスでしか行えない手法であった。(これらの施策の単価は、専門外の人は想定しずらいだろうが、それぞれ見込客一人あたり数百円かかる施策である。)
しかし、Eメールの普及により、このワン・トゥー・ワン対応が容易になった。こう見ると、CRMへの普及はこのITによる進化とコスト削減により、マス対応から、ワン・トゥー・ワン対応に視点が移ってきたからかのように見える。また、実際にそういった誤った意見も少なくない。しかし、CRMの流れは時代環境の変化により生まれたものであることを認識しなければならない。マーケティングは時代の変化に連れ、以下のように進化してきた。
(1)マス・マーケティングの時代
70年代くらいまでは、需要が供給を上回り、物を作れば売れた時代であった。生産は自動的に販売に繋がり、どれだけ造れたか、どれだけ売れたかが重要であり、どんな人が買ったのかは全く関知されなかった。競争力とはイコール製品開発力、生産力及び販売の場を確保する力であった。
(2)ターゲット・マーケティングの時代
成熟経済の時代になると、需要と供給のバランスが逆転し、消費者が選択する権利を持つようになった。企業は自社の顧客がどんな人達で、何を求めていて、どうすれば満足するのかを探り、多様化、細分化したニーズに対応して、ターゲットに合わせた商品政策や、プロモーション活動を行うようになった。

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